048037 ランダム
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パンだふるワールド

パンだふるワールド

ジョンQ


2002年・アメリカ・116分
監督・ニック・カサヴェテス
出演・デンゼル・ワシントン
   ロバート・デュバル
   ジェームス・ウッズ

不況の折、働く場が減り、生活が苦しくなっているジョン(デンゼル・ワシントン)とその家族だが、
妻と一人息子と幸せに暮らしていた。
そんなある日、元気だった息子が心臓の病気で倒れた。
助かる道は心臓移植しかないと、担当医から告げられる。しかし、彼には移植リストに息子の名前を載せるお金がない。家財を売って工面したが、全く足りず、病院側はそんな彼をつっぱねる。ジョンは病院に立てこもり、医師らを人質に、息子を助けてくれ…と要求を出した。

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トレーニング・デイでは恐ろしく嫌なやつを演じたデンゼルが
悩み苦しむ心優しい父親を熱演している。

ある日突然子どもが病気になり死を宣告されるものの
お金さえあれば、助けられるとなると、親たるものどんなことを
してもお金がほしいものだろう、どんな手段を使っても。
アメリカの医療保険制度の問題点を鋭くついた作品である。

「お金のことしか考えていないの?」とののしられる病院長は
顔つきからして意地悪だ。こんな病院は最低!と思うものの
現場で働く医師たちのほとんどが、なんとかして助けてあげたい
と願っていることにホッとさせられる。
やはりどこでも、管理職と現場での違いあるのだな・・(笑)

さて、親としては、ジョンの気持ちは痛いほどよくわかる
しかしいいのか?
力づくで、思いを遂げようとするのならテロとあまりかわらない・・・たとえ内心は悩み苦しんでいようとも。

飢餓で、死んでいくたくさんの子ども達、その親もまたお金さえ
あればこの子は死ななくていいのに・・・と思っていることだろう
でも、運命を受け入れるしか道がないから受け入れるのだろう
なにもない荒野では占拠する場所もないのだから。

自分がジョンだったらどう??
受け入れる?なにかアクションをおこす??と考えつづけながら
観た。考えても考えても答えはわからない
ジョンを否定も肯定もできないでいる自分がいる。

深い深い作品だ




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